鉄筋工事の建設業許可を取得する方法を福岡の行政書士が解説します

「鉄筋の加工や組立てには、どの建設業許可が必要?」
「資格がなくても、鉄筋工事の実務経験で建設業許可を取得できる?」
「施工管理技術検定の第一次検定+実務経験でも営業所技術者になれる?」

鉄筋工事業の建設業許可を検討されている方から、このようなご相談をいただくことがあります。

建築一式工事以外では、1件の請負代金が500万円未満(税込)の工事が「軽微な建設工事」とされているため、税込500万円以上の鉄筋工事を請け負う場合には、原則として鉄筋工事業の建設業許可が必要です。

建設業許可の500万円基準・軽微な工事について詳しくはこちら

本記事では、鉄筋工事の定義や具体例、一般建設業・特定建設業における営業所技術者等の資格・実務経験について詳しく解説します。

福岡県で建設業許可申請を取り扱う行政書士 本田奈美が、2026年10月時点の制度をもとに解説します。

建設業許可全体の要件・費用・申請方法については、 福岡の建設業許可総合ページ もあわせてご参照ください。

鉄筋工事とは?

建設業法上の鉄筋工事とは、棒鋼などの鋼材を加工し、接合し、または組み立てる工事をいいます。

具体的には、大きく「鉄筋加工組立て工事」と「鉄筋継手工事」に分けられます。

  • 鉄筋加工組立て工事
    鉄筋の配筋や組立てを行う工事
  • 鉄筋継手工事
    配筋された鉄筋を接合する工事

鉄筋継手工事には、ガス圧接継手、溶接継手、機械式継手などがあります。

鉄筋工事は、建築物だけでなく、橋梁やトンネルなどの土木構造物でも行われる専門工事です。

一般建設業の営業所技術者要件とは?

鉄筋工事業の一般建設業許可を取得するには、営業所に鉄筋工事業の要件を満たす「営業所技術者」を配置する必要があります。

鉄筋工事業の営業所技術者になる主な方法は次のとおりです。

  • 資格で申請
    建築施工管理技士、鉄筋施工の技能検定、登録基幹技能者など
  • 指定学科+実務経験
    土木工学・建築学・機械工学に関する指定学科+3年または5年以上の実務経験
  • 実務経験のみ
    鉄筋工事について10年以上の実務経験
  • 施工管理技術検定の第一次検定+実務経験
    対象となる第一次検定合格後、3年または5年以上の実務経験

※以前「営業所の専任技術者」と呼ばれていた者は、令和6年12月13日の建設業法改正により、一般建設業では「営業所技術者」、特定建設業では「特定営業所技術者」とされ、両者をまとめて「営業所技術者等」といいます。

営業所技術者等の制度全体については、 営業所技術者等の資格・実務経験についての記事 もあわせてご参照ください。

1.資格で営業所技術者になる

鉄筋工事業の一般建設業許可で営業所技術者となることができる代表的な資格等には、次のようなものがあります。

  • 1級建築施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士(躯体)
  • 1級技能検定「鉄筋施工」
  • 2級技能検定「鉄筋施工」+所定の実務経験
  • 登録PC基幹技能者
  • 登録鉄筋基幹技能者
  • 登録圧接基幹技能者

技能検定については、等級や選択科目、取得時期によって取扱いが異なる場合があります。

2級技能検定を利用する場合は、原則として合格後3年以上の鉄筋工事の実務経験が必要となる区分があります。

過去の技能検定には現在と異なる名称や区分もあるため、申請前に合格証書等を確認して判断することが重要です。

2.指定学科+実務経験で営業所技術者になる

鉄筋工事業の指定学科は、土木工学・建築学・機械工学に関する学科です。

指定学科を卒業している場合は、学歴に応じて必要となる鉄筋工事の実務経験年数を短縮できます。

  • 大学・高等専門学校等:卒業後3年以上の鉄筋工事の実務経験
  • 高等学校等:卒業後5年以上の鉄筋工事の実務経験

例えば、高校の土木科を卒業し、その後5年以上鉄筋工事に従事している場合には、指定学科+実務経験によって営業所技術者の要件を満たせる場合があります。

申請時には、卒業証明書等による指定学科の確認と、鉄筋工事に従事していたことを確認できる資料が必要になります。

3.資格がなくても10年以上の実務経験で申請できる場合があります

鉄筋工事業に対応する資格や指定学科の学歴がない場合でも、鉄筋工事について10年以上の実務経験があれば、営業所技術者の要件を満たすことができます。

ただし、「建設業に10年以上携わっている」というだけでは足りません。

必要な期間について、実際に鉄筋加工組立て工事や鉄筋継手工事などの鉄筋工事に従事していたことを証明する必要があります。

4.施工管理技術検定の第一次検定+実務経験で申請できる場合もある

令和5年7月1日から、一定の施工管理技術検定の第一次検定合格者について、指定学科卒業者と同様に取り扱う制度が設けられています。

鉄筋工事業はこの制度の対象となるため、対応する施工管理技術検定の第一次検定合格後、所定の実務経験を積むことで営業所技術者の要件を満たせる場合があります。

  • 対応する1級施工管理技術検定の第一次検定合格後:鉄筋工事について3年以上の実務経験
  • 対応する2級施工管理技術検定の第一次検定合格後:鉄筋工事について5年以上の実務経験

鉄筋工事業の指定学科である土木工学・建築学・機械工学に対応する施工管理技術検定が対象となります。

お持ちの第一次検定の種類や合格区分によって利用できるかが異なるため、合格証明書等を確認したうえで判断することが重要です。

資格がない場合は?鉄筋工事の実務経験を証明できる資料を確認

資格を使用せず、10年以上の実務経験によって営業所技術者の要件を満たす場合は、実務経験年数だけでなく、その期間に実際に鉄筋工事を行っていたことを確認できる資料が重要です。

過去の契約書、注文書、請求書などを確認し、工事内容や期間から鉄筋工事の実務経験を証明していきます。

例えば、「建築工事一式」「躯体工事一式」などの記載だけでは、鉄筋工事を行っていたことが分かりにくい場合があります。

その場合は、見積書や工事明細など、鉄筋加工組立て工事や鉄筋継手工事を行ったことが分かる資料も含めて、実務経験として証明できるか検討します。

「昔の請求書で鉄筋工事の実務経験を証明できる?」
「鉄筋工事の経験が10年以上あるか分からない」
「高校の土木科を卒業しているけれど、5年の経験で申請できる?」


このような段階でもご相談いただけます。 これまでのご経歴やお持ちの資料を確認しながら、申請できる方法を検討します。

鉄筋工事業の建設業許可について相談する

鉄筋工事業の建設業許可取得をサポートした事例

当事務所では、実際に福岡県内の事業者様から鉄筋工事業の建設業許可申請をご依頼いただき、許可取得をサポートしています。

鉄筋工事業では、資格だけでなく、指定学科卒業後の実務経験や10年以上の実務経験によって営業所技術者の要件を満たせる場合があります。

中村工業様|高校の土木科卒業+5年以上の実務経験で取得

福岡県筑紫野市の中村工業様より、鉄筋工事業の建設業許可新規申請をご依頼いただき、無事に許可を取得されました。

中村工業様は高校の土木科を卒業されていたため、指定学科卒業後5年以上の鉄筋工事の実務経験によって営業所技術者の要件を満たして申請しました。

過去の請求書などを確認しながら、鉄筋工事について必要な期間の実務経験を証明して申請を進めています。

中村工業様の鉄筋工事業の建設業許可取得事例はこちら

出水工業様|資格を使わず10年以上の実務経験で取得

福岡市の出水工業様より、鉄筋工事業の建設業許可新規申請をご依頼いただき、無事に許可を取得されました。

出水工業様は資格を使用せず、10年以上の鉄筋工事の実務経験によって営業所技術者の要件を満たして申請しました。

過去にお客様へ発行していた請求書を確認しながら、鉄筋工事について必要な期間の実務経験を証明して申請を進めています。

出水工業様の鉄筋工事業の建設業許可取得事例はこちら

このように、同じ鉄筋工事業でも、これまでの学歴・資格・実務経験によって利用できる申請ルートは異なります。

「資格はないが長年鉄筋工事をしている」「土木科や建築科を卒業している」といった場合は、これまでの経歴と証明資料を確認することで、営業所技術者の要件を満たせる可能性があります。

特定建設業の特定営業所技術者要件とは?

鉄筋工事業の特定建設業許可では、一般建設業よりも厳しい技術者要件が定められています。

鉄筋工事業は、土木工事業・建築工事業・電気工事業・管工事業・鋼構造物工事業・舗装工事業・造園工事業の「指定建設業7業種」には含まれません。

そのため、一定の国家資格のほか、一般建設業の営業所技術者となる要件を満たしたうえで、所定の指導監督的実務経験を有する場合にも、特定営業所技術者の要件を満たせる場合があります。

1.資格で申請する

鉄筋工事業の特定営業所技術者となることができる代表的な資格は、次のとおりです。

  • 1級建築施工管理技士

2.指導監督的実務経験で申請する

一般建設業の営業所技術者となる要件を満たしたうえで、発注者から直接請け負った請負代金4,500万円以上の鉄筋工事について、2年以上の指導監督的実務経験を有している場合などは、特定営業所技術者の要件を満たせる場合があります。

ここでいう指導監督的実務経験とは、建設工事の設計・施工の全般について、工事現場主任や現場監督者などの立場で、工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。

「4,500万円以上」は、発注者から直接請け負った元請工事についての基準である点にも注意が必要です。

一般建設業と特定建設業は工事の請負金額だけで決まるわけではない

「大きな鉄筋工事を受注するなら特定建設業が必要」と思われることがありますが、一般建設業と特定建設業の違いは、単純な工事の請負金額ではありません。

令和7年2月1日以降、発注者から直接工事を請け負った元請業者が、その工事について下請契約の請負代金の合計が5,000万円以上となる場合には、原則として特定建設業許可が必要となります。

そのため、一般建設業の鉄筋工事業許可でも、受注する工事そのものの請負金額に上限が設定されているわけではありません。

また、特定建設業許可が必要となる下請総額の「5,000万円」と、特定営業所技術者の指導監督的実務経験で使用する元請工事の「4,500万円」は別の基準です。

一般建設業と特定建設業の違いについて詳しくはこちら

まとめ

鉄筋工事業は、棒鋼などの鋼材を加工・接合・組立てする工事で、鉄筋加工組立て工事や鉄筋継手工事などが該当します。

一般建設業の営業所技術者については、建築施工管理技士や鉄筋施工の技能検定、登録基幹技能者などの資格、指定学科+実務経験、10年以上の実務経験、施工管理技術検定の第一次検定+実務経験などによって要件を満たせる場合があります。

実際に当事務所でも、指定学科卒業後5年以上の実務経験を使用した事例や、資格を使用せず10年以上の鉄筋工事の実務経験を証明して許可を取得した事例があります。

特に実務経験で申請する場合は、必要な年数を満たしているだけでなく、過去の契約書や請求書等から鉄筋工事の経験を証明できるかどうかも重要です。

建設業許可全体の要件や申請方法については、 福岡の建設業許可総合ページ をご参照ください。

その他の建設業許可要件についてはこちらをご参照ください!

※本記事は2026年10月時点の法令・福岡県の案内をもとに作成しています。 令和5年7月1日の技術者資格要件の見直し、令和6年12月13日の「営業所技術者等」への名称変更、令和7年2月1日の特定建設業許可等に関する金額基準の改正に対応しています。

福岡県の鉄筋工事業の建設業許可をサポートする行政書士 本田奈美 行政書士 本田奈美
当事務所では、福岡県の鉄筋工事業の建設業許可について、 「この資格で営業所技術者になれる?」 「高校の土木科卒業+5年以上の実務経験を使える?」 「昔の請求書で10年以上の鉄筋工事の経験を証明できる?」 といった段階からご相談いただけます。

初回相談・お見積もりは無料ですので、お気軽に 鉄筋工事業の建設業許可についてお問い合わせください!

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