「ガラスの取付けやガラスフィルム工事には、どの建設業許可が必要?」
「資格がなくても、これまでのガラス工事の実務経験で建設業許可を取得できる?」
ガラス工事業の建設業許可を検討されている方から、このようなご相談をいただくことがあります。
建築一式工事以外では、1件の請負代金が500万円未満(税込)の工事が「軽微な建設工事」とされているため、税込500万円以上のガラス工事を請け負う場合には、原則としてガラス工事業の建設業許可が必要です。
軽微な工事についてはこちらをご参照ください!
本記事では、ガラス工事の定義や具体例、建具工事との違い、一般建設業・特定建設業における営業所技術者等の要件について詳しく解説します。
福岡県で建設業許可申請を取り扱う行政書士 本田奈美が、2026年10月時点の制度をもとに解説します。
建設業許可全体の要件・費用・申請方法については、
福岡の建設業許可総合ページ
もあわせてご参照ください。
目次
ガラス工事とは、工作物にガラスを加工して取り付ける工事をいいます。
建築物の窓などにガラスを加工して取り付ける工事のほか、ガラス面にフィルムを貼り付ける工事などもガラス工事に含まれます。
具体的な工事例は次のとおりです。
ガラス工事と一緒に施工されることの多い工事に「建具工事」がありますが、建設業法上は別の業種です。
ガラスを加工して工作物に取り付ける工事やガラスフィルム工事は「ガラス工事」に該当します。
一方、サッシや金属製建具、シャッター、自動ドアなどを取り付ける工事は「建具工事」に該当します。
例えば、サッシとガラスの両方を施工する工事では、実際の施工内容や契約内容を確認したうえで、どの業種に該当するのか判断することが重要です。
ガラス工事業の一般建設業許可を取得するには、営業所にガラス工事業の要件を満たす「営業所技術者」を配置する必要があります。
ガラス工事業の営業所技術者になる主な方法は次のとおりです。
※以前「営業所の専任技術者」と呼ばれていた者は、令和6年12月13日の建設業法改正により、一般建設業では「営業所技術者」、特定建設業では「特定営業所技術者」とされ、両者をまとめて「営業所技術者等」といいます。
営業所技術者等の制度全体については、 営業所技術者等の資格・実務経験についての記事 もあわせてご参照ください。
ガラス工事業の営業所技術者となることができる代表的な資格等には、次のようなものがあります。
2級技能検定「ガラス施工」の場合は、原則として合格後3年以上のガラス工事の実務経験が必要です。
ただし、平成16年4月1日時点ですでに旧技能検定の2級ガラス施工に合格していた方については、その後1年以上のガラス工事の実務経験で要件を満たせる場合があります。
資格の種類や取得時期によって取扱いが異なる場合がありますので、申請前に資格証や合格証明書を確認しておきましょう。
ガラス工事業の指定学科は、建築学または都市工学に関する学科です。
指定学科を卒業している場合は、学歴に応じて必要な実務経験年数を短縮できます。
学科名だけでは指定学科に該当するか判断しにくい場合もあるため、必要に応じて卒業証明書や履修内容などを確認して判断します。
資格や指定学科の学歴がない場合でも、ガラス工事について10年以上の実務経験があれば、営業所技術者の要件を満たすことができます。
ただし、単に建設業に10年以上携わっていればよいわけではありません。必要な期間について、実際にガラス工事に従事していたことを確認できる必要があります。
また、ガラス工事のみでは10年以上の実務経験がない場合でも、一定の実務経験の組み合わせによって要件を満たせる場合があります。
ガラス工事業では、建築工事業とガラス工事業に係る建設工事について通算12年以上の実務経験があり、そのうちガラス工事業について8年を超える実務経験がある場合に、営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
「ガラス工事8年以上+ほかの建設工事なら何でも合算できる」という制度ではありませんので注意しましょう。
令和5年7月1日から、一定の施工管理技術検定の第一次検定合格者について、指定学科卒業者と同様に取り扱う制度が設けられています。
ガラス工事業では、建築施工管理技術検定について、次のような方法で営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
なお、施工管理技士として直接資格要件を満たす場合と、第一次検定合格後の実務経験によって要件を満たす場合では取扱いが異なります。
お持ちの資格や合格内容を確認したうえで、どの要件を利用できるか判断することが重要です。
資格を使用せず、実務経験によって営業所技術者の要件を満たす場合は、ガラス工事について必要な実務経験年数があることに加えて、実際にその工事を行っていたことを確認できる資料も重要です。
過去の契約書、注文書、請求書などを確認し、工事内容や期間からガラス工事の実務経験を証明していきます。
例えば、「改修工事一式」「建具工事一式」などの記載だけでは、ガラス工事を行っていたことが分かりにくい場合があります。
その場合は、工事明細など具体的な施工内容が確認できる資料も含めて、ガラス工事の実務経験として証明できるか検討します。
「昔の契約書や請求書で実務経験を証明できる?」
「ガラス工事の経験が10年以上あるか分からない」
「自分が行ってきた工事をガラス工事の実務経験として使えるか確認してほしい」
このような段階でもご相談いただけます。これまでのご経歴やお持ちの資料を確認しながら、申請できる方法を検討します。
ガラス工事業の特定建設業許可では、一般建設業よりも厳しい技術者要件が定められています。
ガラス工事業は指定建設業ではないため、一定の資格のほか、指導監督的実務経験によって特定営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
ガラス工事業の特定営業所技術者となることができる代表的な資格は、次のとおりです。
一般建設業の営業所技術者となる要件を満たしたうえで、発注者から直接請け負った請負代金4,500万円以上のガラス工事について、2年以上の指導監督的実務経験を有している場合などは、特定営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
ここでいう指導監督的実務経験とは、工事現場主任や現場監督者などの立場で、工事の設計・施工の全般について技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。
なお、令和7年2月1日以降、ガラス工事について特定建設業許可が必要となるのは、元請として受注した1件の工事について、下請契約の請負代金の合計が5,000万円以上となる場合です。
この「5,000万円」と、特定営業所技術者の指導監督的実務経験で使用する工事の「4,500万円」は別の基準ですので、混同しないよう注意しましょう。
ガラス工事業には、ガラス加工取付け工事やガラスフィルム工事などが含まれます。
一方、サッシや自動ドアなどの取付け工事は建具工事に該当するため、似た工事であっても実際の施工内容を確認して許可業種を判断することが重要です。
一般建設業の営業所技術者については、建築施工管理技士やガラス施工技能士などの資格、指定学科+実務経験、10年以上の実務経験、建築工事との実務経験の組み合わせ、施工管理技術検定合格+実務経験などによって要件を満たせる場合があります。
特に実務経験で申請する場合は、必要な年数を満たしているだけでなく、過去の契約書や請求書などからガラス工事の経験を証明できるかどうかも重要です。
建設業許可全体の要件や申請方法については、 福岡の建設業許可総合ページ をご参照ください。
※本記事は2026年10月時点の法令・福岡県の案内をもとに作成しています。 令和5年7月1日の技術者資格要件の見直し、令和6年12月13日の「営業所技術者等」への名称変更、令和7年2月1日の特定建設業許可等に関する金額基準の改正に対応しています。
行政書士 本田奈美

行政書士(登録番号:第24402289号)
福岡県行政書士会所属/CCUS登録行政書士
建設業許可を中心に、経営事項審査・各種許認可手続きをサポートしています。
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