防水工事の建設業許可を取得する方法を福岡の行政書士が解説します

「シーリング工事は防水工事に該当する?」
「資格がなくても、これまでの防水工事の実務経験で建設業許可を取得できる?」

防水工事業の建設業許可を検討されている方から、このようなご相談をいただくことがあります。

防水工事について、軽微な建設工事を超える工事を請け負う場合には、防水工事業の建設業許可が必要です。
建築一式工事以外では、1件の請負代金が500万円未満(税込)の工事が「軽微な建設工事」とされているため、税込500万円以上の防水工事を請け負う場合には、原則として建設業許可が必要です。
軽微な工事についてはこちらをご参照ください!

本記事では、防水工事の定義や具体例、他の工事業種との違い、一般建設業・特定建設業における営業所技術者等の要件について詳しく解説します。

福岡県で建設業許可申請を取り扱う行政書士 本田奈美が、2026年9月時点の制度をもとに解説します。

建設業許可全体の要件・費用・申請方法などを確認したい方は、 福岡の建設業許可総合ページ もあわせてご参照ください。

防水工事とは?

防水工事とは、アスファルト、モルタル、シーリング材などを使用して、建築物等の防水を行う工事をいいます。

主に雨水などの浸入を防ぐために施工され、新築時だけでなく、経年劣化に伴う改修工事やメンテナンスとして行われることもあります。

具体的な工事例として、次のようなものがあります。

  • アスファルト防水工事
  • モルタル防水工事
  • シーリング工事
  • 塗膜防水工事
  • シート防水工事
  • 注入防水工事

防水工事と他の工事業種との違い

防水に関係する工事であっても、施工場所や工法によっては「防水工事業」ではなく、他の建設業種に区分される場合があります。

とび・土工・コンクリート工事との違い

建築系の防水工事は「防水工事」に該当しますが、トンネル防水工事などの土木系の防水工事は「とび・土工・コンクリート工事」に該当します。

同じ「防水」という名称が付く工事でも、建築物に対する工事なのか、土木構造物に対する工事なのかなど、具体的な施工内容を確認して業種を判断する必要があります。

左官工事との違い

防水モルタルを使用した防水工事については、「左官工事」と「防水工事」のどちらの許可でも施工することができます。

ただし、すべての防水工事が左官工事の許可で施工できるという意味ではありません。実際の工法や施工内容を確認して判断する必要があります。

一般建設業の営業所技術者要件とは?

防水工事業の一般建設業許可を取得するには、営業所に防水工事業の要件を満たす「営業所技術者」を配置する必要があります。

※本記事は2026年9月時点の法令・福岡県の案内をもとに作成しています。令和5年7月1日の技術者資格要件の見直し、令和6年12月13日の「営業所技術者等」への名称変更、令和7年2月1日の特定建設業許可等に関する金額基準の改正に対応しています。

※令和6年12月13日施行の建設業法改正により、それまでの「営業所の専任技術者」は、一般建設業では「営業所技術者」、特定建設業では「特定営業所技術者」という名称になりました。これらをまとめて「営業所技術者等」といいます。

まずは、ご自身がどの要件に当てはまりそうか確認してみましょう。

  • 資格で申請:建築施工管理技士、防水施工技能士、登録基幹技能者など
  • 指定学科+実務経験:土木工学・建築学に関する指定学科+3年または5年以上の実務経験
  • 実務経験のみ:防水工事について10年以上の実務経験
  • 複数業種の実務経験:建築工事+防水工事について通算12年以上など
  • 施工管理技術検定+実務経験:対象となる検定合格+3年または5年以上の実務経験

営業所技術者等の制度全体については、 営業所技術者等の資格・実務経験についての記事 もあわせてご参照ください。

1.資格で申請する

防水工事業の営業所技術者となることができる代表的な資格等には、次のようなものがあります。

  • 1級建築施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)
  • 1級技能検定「防水施工」
  • 2級技能検定「防水施工」+所定の実務経験
  • 登録防水基幹技能者
  • 登録外壁仕上基幹技能者

2級の技能検定「防水施工」の場合は、原則として合格後3年以上の防水工事の実務経験が必要です。

ただし、資格の取得時期によって必要となる実務経験年数が異なる場合がありますので、申請前に確認しておきましょう。

2.指定学科+実務経験で申請する

防水工事業の指定学科は、土木工学または建築学に関する学科です。

指定学科を卒業している場合は、学歴に応じて必要な実務経験年数を短縮できます。

  • 大学・高等専門学校等:卒業後3年以上の実務経験
  • 高等学校等:卒業後5年以上の実務経験

3.資格がなくても実務経験で申請できる場合があります

資格や指定学科の学歴がない場合でも、防水工事について10年以上の実務経験があれば、営業所技術者の要件を満たすことができます。

ただし、単に建設業に10年以上携わっているというだけではなく、必要な期間について防水工事に従事していたことを確認できる必要があります。

また、防水工事のみでは10年の実務経験がない場合でも、一定の組み合わせによって要件を満たせる場合があります。

防水工事業では、建築工事業と防水工事業に係る建設工事について通算12年以上の実務経験があり、そのうち防水工事業について8年を超える実務経験がある場合に、この特例を利用できる場合があります。

「防水工事8年以上+ほかの建設工事なら何でもよい」という制度ではありません。組み合わせることができる業種は決められているため注意しましょう。

4.施工管理技術検定合格+実務経験で申請できる場合もある

令和5年7月1日から、一定の施工管理技術検定の合格者について、指定学科卒業者と同様に取り扱う制度が設けられています。

防水工事業では、土木施工管理・建築施工管理・造園施工管理の一定の技術検定が対象となり、

  • 対象となる1級の検定合格後:防水工事について3年以上の実務経験
  • 対象となる2級の検定合格後:防水工事について5年以上の実務経験

を有することで、営業所技術者の要件を満たせる場合があります。

ただし、第一次検定・第二次検定や検定種目によって対象となる範囲が異なりますので、資格証の内容を確認して判断することが重要です。

実務経験で申請する場合は証明資料も重要

資格を使用せず、実務経験によって営業所技術者の要件を満たす場合は、経験年数だけでなく、実際に防水工事を行っていたことを確認できる資料も重要です。

過去の契約書、注文書、請求書などを確認し、工事内容や期間から防水工事の実務経験を証明していきます。

特に「改修工事一式」「外壁工事一式」などの工事件名だけでは、防水工事に該当する工事なのか判断しにくい場合があります。

「10年以上防水工事をしているけれど、どの資料を準備すればいい?」
「昔の請求書で防水工事の実務経験を証明できる?」
「自分の工事が防水工事として認められるか確認してほしい」

このような段階でも、 こちらからお気軽にご相談ください。 これまでのご経歴やお持ちの資料を確認しながら、申請方法を検討します。

当事務所で実際にサポートした申請については、 建設業許可の取得実績 もご覧いただけます。

特定建設業の特定営業所技術者要件とは?

防水工事業の特定建設業許可では、一般建設業よりも厳しい技術者要件が定められています。

防水工事業は指定建設業ではないため、一定の資格のほか、指導監督的実務経験によって特定営業所技術者の要件を満たせる場合があります。

1.資格で申請する

防水工事業の特定営業所技術者となることができる代表的な資格は、次のとおりです。

  • 1級建築施工管理技士

2.指導監督的実務経験で申請する

一般建設業の営業所技術者となる要件を満たしたうえで、発注者から直接請け負った請負代金4,500万円以上の防水工事について、2年以上の指導監督的実務経験を有している場合などは、特定営業所技術者の要件を満たせる場合があります。

ここでいう指導監督的実務経験とは、工事現場主任や現場監督者などの立場で、工事の設計・施工の全般について技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。

なお、令和7年2月1日以降、防水工事について特定建設業許可が必要となるのは、元請として請け負った1件の工事について、下請契約の請負代金の合計が5,000万円以上となる場合です。

この「5,000万円」と、特定営業所技術者の指導監督的実務経験で使用する工事の「4,500万円」は別の基準ですので、混同しないよう注意しましょう。

まとめ

防水工事業には、アスファルト防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事などが含まれます。

一般建設業の営業所技術者については、対応する資格、指定学科+実務経験、10年以上の実務経験、建築工事との実務経験の組み合わせ、施工管理技術検定合格+実務経験などによって要件を満たせる場合があります。

特に実務経験で申請する場合は、必要な年数を満たしているだけでなく、過去の契約書や請求書などから防水工事の経験を証明できるかどうかも重要です。

建設業許可全体の要件や申請方法については、 福岡の建設業許可総合ページ をご参照ください。

その他の建設業許可要件についてはこちらをご参照ください!

福岡県の防水工事業の建設業許可をサポートする行政書士 本田奈美 行政書士 本田奈美
当事務所では、福岡県の防水工事業の建設業許可について、「この工事は防水工事に該当する?」「資格がなくても実務経験で申請できる?」「昔の請求書で実務経験を証明できる?」といった段階からご相談いただけます。
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