「機械を設置する工事なら、すべて機械器具設置工事になる?」
「資格を持っていなくても、実務経験で建設業許可を取得できる?」
機械器具設置工事は、管工事や電気工事など他の工事業種との区分が分かりにくく、許可業種の判断に迷いやすい工事の一つです。
機械器具設置工事について、1件の請負代金が500万円以上(税込)となる工事を請け負う場合は、原則として機械器具設置工事業の建設業許可が必要です。
建築一式工事以外では、1件の請負代金が500万円未満(税込)の工事が「軽微な建設工事」とされています。
軽微な工事についてはこちらをご参照ください!
本記事では、機械器具設置工事の定義や具体例、他の工事業種との区分、一般建設業・特定建設業における営業所技術者等の要件について詳しく解説します。
福岡県で建設業許可申請を取り扱う行政書士 本田奈美が、2026年9月時点の制度をもとに解説します。
建設業許可全体の要件・費用・申請方法などを確認したい方は、
福岡の建設業許可総合ページ
もあわせてご参照ください。
※本記事は2026年9月時点の法令・福岡県の案内をもとに作成しています。令和5年7月1日の技術者資格要件の見直し、令和6年12月13日の「営業所技術者等」への名称変更、令和7年2月1日の特定建設業許可等に関する金額基準の改正に対応しています。
目次
機械器具設置工事とは、機械器具の組立て等により工作物を建設したり、工作物に機械器具を取り付けたりする工事をいいます。
例えば、工場のプラント設備、エレベーターなどの運搬機器、立体駐車設備、サイロ、舞台装置などを設置する工事が該当します。
ただし、機械器具を設置する工事がすべて「機械器具設置工事」に該当するわけではありません。
電気工事・管工事・電気通信工事・消防施設工事など、他の専門工事に該当する場合には、原則としてそれぞれの専門工事に区分されます。
機械器具設置工事に該当する工事として、次のようなものがあります。
このように機械器具設置工事にはさまざまな工事がありますが、実際の業種区分は設備の名称だけではなく、どのような機械器具を、どのような目的・方法で設置する工事なのかによって判断する必要があります。
機械器具設置工事は、「電気工事」「管工事」「電気通信工事」「消防施設工事」などと工事内容が重複することがあります。
このような場合には、原則としてそれぞれの専門工事に区分し、他の専門工事のいずれにも該当しない機械器具や、複合的な機械器具の設置工事が「機械器具設置工事」に該当します。
| 工事内容の例 | 考えられる工事業種 |
|---|---|
| トンネル・地下道などの給排気機器の設置 | 機械器具設置工事 |
| 建築物内の通常の空調設備の設置 | 管工事 |
| 集塵設備の設置 | 機械器具設置工事 |
| 排水処理設備の設置 | 管工事 |
※実際の業種区分は設備の名称だけで決まるものではなく、具体的な施工内容等を確認して判断する必要があります。
トンネルや地下道などの給排気用に設置される機械器具の設置工事は「機械器具設置工事」に該当します。
一方、建築物内に設置される通常の空調機器の設置工事は「機械器具設置工事」ではなく、「管工事」に分類されます。
同じ「空気を送る設備」であっても、設置場所や設備の用途によって工事業種が異なるため注意が必要です。
公害防止施設を単体で設置する工事については、すべて「清掃施設工事」になるわけではありません。
例えば、排水処理設備の設置工事は「管工事」、集塵設備の設置工事は「機械器具設置工事」に区分されます。
設置する設備の種類や機能によって工事業種を判断する必要があります。
機械器具の設置工事は、機械の種類によって「電気工事」「管工事」「電気通信工事」「消防施設工事」などと重複することがあります。
この場合は、原則としてそれぞれの専門工事に区分されます。
例えば、発電設備に関する工事についても、機械器具設置工事の例示には「内燃力発電設備工事」がある一方、電気工事の例示にも「発電設備工事」があります。
そのため、「発電設備を設置する工事だから機械器具設置工事」と一律に判断するのではなく、具体的な設備や施工内容を確認して業種を判断することが重要です。
機械器具設置工事業の一般建設業許可を取得するためには、営業所ごとに機械器具設置工事業の要件を満たす営業所技術者を置く必要があります。
主な要件の満たし方は次のとおりです。
| 申請ルート | 主な要件 |
|---|---|
| 技術士資格 | 機械部門等の対象となる技術士資格 |
| 施工管理技術検定+実務経験 | 対象検定の1級+3年以上、または2級+5年以上の実務経験 |
| 指定学科+実務経験 | 建築・機械・電気工学に関する指定学科+3年または5年以上 |
| 実務経験のみ | 機械器具設置工事について10年以上 |
次の技術士資格を保有している場合、機械器具設置工事業の営業所技術者として認められます。
令和5年7月1日の制度改正により、一定の施工管理技術検定の合格者については、合格後に一定期間の実務経験を積むことで営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
機械器具設置工事業では、次の施工管理技術検定が対象となります。
対象となる検定について、原則として、1級の第一次検定または第二次検定に合格した後は3年以上、2級の第一次検定または第二次検定に合格した後は5年以上の機械器具設置工事の実務経験が必要です。
機械器具設置工事業については、次の学科が指定学科とされています。
指定学科を卒業した場合に必要となる実務経験年数は、原則として次のとおりです。
・高等学校等の指定学科を卒業:卒業後5年以上の実務経験
・大学・高等専門学校等の指定学科を卒業:卒業後3年以上の実務経験
資格や指定学科の学歴がない場合でも、機械器具設置工事について10年以上の実務経験があれば、営業所技術者の要件を満たすことができます。
実務経験で申請する場合には、単に機械に関する仕事をしていたというだけではなく、その工事が建設業法上の「機械器具設置工事」に該当することや、必要な期間の経験があることを確認する必要があります。
営業所技術者等の制度やその他の建設業許可要件については、 建設業許可を取得するための要件についての記事 もあわせてご参照ください。
機械器具設置工事業について特定建設業許可を取得する場合には、営業所に「特定営業所技術者」を置く必要があります。
次の技術士資格を保有している場合、機械器具設置工事業の特定営業所技術者として認められます。
機械器具設置工事業は指定建設業ではないため、一般建設業における営業所技術者の要件を満たしたうえで、一定の指導監督的実務経験を有する場合には、特定営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
具体的には、発注者から直接請け負った請負代金4,500万円以上の機械器具設置工事について、2年以上の指導監督的実務経験を有する場合などです。
ここでいう「指導監督的実務経験」とは、工事現場主任や現場監督者などの立場で、建設工事の設計・施工の全般について技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。
なお、令和7年2月1日以降、機械器具設置工事について特定建設業許可が必要となるのは、元請として請け負った1件の工事について、下請契約の請負代金の合計が5,000万円以上となる場合です。
この「5,000万円」と、特定営業所技術者の指導監督的実務経験で使用する工事の「4,500万円」は別の基準ですので、混同しないよう注意しましょう。
機械器具設置工事は、他の建設業種との区分が特に分かりにくい業種の一つです。
「機械を設置したから機械器具設置工事」とは限らず、電気設備であれば電気工事、空調設備であれば管工事、通信設備であれば電気通信工事など、具体的な工事内容によって別の業種に区分される場合があります。
また、営業所技術者の実務経験を証明する場合にも、過去に施工した工事が機械器具設置工事として認められるかどうかが重要になります。
建設業許可の取得を検討する際は、過去の請求書や工事内容が分かる資料を確認し、取得しようとする業種に該当する工事実績があるかを事前に確認しておくことが重要です。
機械器具設置工事には、プラント設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事、立体駐車設備工事など、さまざまな工事が含まれます。
一方で、機械器具を設置する工事であっても、電気工事・管工事・電気通信工事・消防施設工事などの専門工事に該当する場合には、原則としてそれぞれの専門工事に区分されます。
また、機械器具設置工事業の営業所技術者については、技術士資格のほか、指定学科+実務経験、一定の施工管理技術検定合格+実務経験、10年以上の実務経験などによって要件を満たせる場合があります。
建設業許可全体の要件や申請方法については、 福岡の建設業許可総合ページ をご参照ください。
当事務所で実際にサポートした建設業許可申請については、 建設業許可の取得実績 もご覧いただけます。
行政書士 本田奈美

行政書士(登録番号:第24402289号)
福岡県行政書士会所属/CCUS登録行政書士
建設業許可を中心に、経営事項審査・各種許認可手続きをサポートしています。
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