福岡で行政書士をしている本田奈美です!
建築一式工事について、軽微な建設工事を超える工事を請け負う場合には、建築工事業の建設業許可が必要です。
建築一式工事の場合、「軽微な建設工事」とされるのは、1件の請負代金が1,500万円未満(税込)の工事、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事です。
軽微な工事について詳しくはこちらをご参照ください!
本記事では、建築一式工事とはどのような工事なのか、一般建設業・特定建設業における営業所技術者等の要件について解説します。
※令和6年12月13日施行の建設業法改正により、それまでの「営業所の専任技術者」は、一般建設業では「営業所技術者」、特定建設業では「特定営業所技術者」という名称になりました。これらをまとめて「営業所技術者等」といいます。
目次
建設業法上の建築一式工事とは、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事をいいます。
建物の新築工事など、複数の専門工事を総合的に企画・調整しながら建築物全体を施工する工事が代表的です。
「工事金額が大きければ建築一式工事になる」というわけではなく、工事の内容や施工体制などを踏まえて判断する必要があります。
建築一式工事について特に注意したいのが、建築工事業の許可を持っていれば、すべての建築関係の専門工事を単独で請け負えるわけではないという点です。
例えば、建築工事業の許可を持っている事業者であっても、500万円以上(税込)の内装仕上工事を単独で請け負う場合には、原則として内装仕上工事業の許可が必要です。
同様に、大工工事、屋根工事、塗装工事、管工事などの専門工事を軽微な工事の範囲を超えて単独で請け負う場合には、それぞれ対応する建設業許可が必要になります。
一方、建物の新築工事を建築一式工事として元請で請け負い、その工事の中に内装工事や電気工事などの専門工事が含まれている場合は、建築一式工事として請け負うことができます。
ビルの外壁などに固定された避難階段の設置工事は、「消防施設工事」ではありません。
建築物の躯体の一部として施工するため、工事内容によって「建築一式工事」または「鋼構造物工事」に該当します。
火災時などに使用する「金属製避難はしご」と、建物に固定された避難階段では建設業法上の工事区分が異なるため注意が必要です。
建築工事業の一般建設業許可を取得するには、営業所に建築工事業の技術者要件を満たす「営業所技術者」を配置する必要があります。
主な要件の満たし方には、資格、指定学科+実務経験、10年以上の実務経験があります。
建築工事業の一般建設業許可で営業所技術者となることができる代表的な資格は、次のとおりです。
上記の資格を有している場合は、資格によって建築工事業の営業所技術者の要件を満たすことができます。
建築工事業の指定学科は、建築学または都市工学に関する学科です。
指定学科を卒業している場合は、学歴に応じて必要な実務経験年数を短縮できます。
申請時には、卒業証明書等による学歴の確認と、建築一式工事について必要な期間の実務経験を確認できる資料が必要になります。
資格や指定学科の学歴がない場合でも、建築一式工事について10年以上の実務経験を有していれば、一般建設業の営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
ここで必要なのは「建設工事全般の経験」や「土木工事の経験」ではなく、建築工事業に対応する建築一式工事の実務経験です。
実務経験で申請する場合は、実際に行ってきた工事が建築一式工事に該当するか、また必要な期間を資料で証明できるかを確認することが重要です。
令和5年7月から、一定の施工管理技術検定の第一次検定合格者について、指定学科卒業者と同様に取り扱う制度が設けられています。
しかし、建築工事業は「指定建設業」に該当するため、この実務経験年数の緩和制度の対象外です。
そのため、例えば1級建築施工管理技士補であることだけを理由として、「合格後3年の実務経験」で建築工事業の営業所技術者になることはできません。
建築工事業は、土木工事業・電気工事業・管工事業・鋼構造物工事業・舗装工事業・造園工事業とともに、指定建設業7業種の一つです。
そのため、特定建設業では一般建設業よりも厳しい技術者要件が設けられています。
建築工事業の特定営業所技術者となることができる代表的な資格は、次のとおりです。
指定建設業である建築工事業の特定建設業許可では、原則として1級の国家資格者等を配置する必要があります。
指定建設業以外の業種では、一般建設業の営業所技術者の要件を満たしたうえで、一定の元請工事について2年以上の指導監督的実務経験を有することにより、特定営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
しかし、建築工事業は指定建設業のため、指導監督的実務経験による方法は利用できません。
「大きな建物を建てるなら特定建設業許可が必要」と思われることがありますが、一般建設業と特定建設業の違いは、元請として請け負った工事の請負金額そのものではありません。
発注者から直接建築一式工事を請け負った元請業者が、その工事について下請に出す金額の合計が8,000万円以上となる場合に、原則として建築工事業の特定建設業許可が必要です。
一般建設業の建築工事業許可であっても、発注者から直接請け負う工事金額そのものに上限が設定されているわけではありません。
建築一式工事とは、総合的な企画・指導・調整のもとに建築物を建設する工事です。
一般建設業では、1級・2級建築施工管理技士や建築士、指定学科+実務経験、10年以上の建築一式工事の実務経験などによって営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
一方、建築工事業は指定建設業であるため、特定建設業では1級建築施工管理技士や1級建築士等の資格が必要となり、指導監督的実務経験による方法は利用できません。
また、建築工事業の許可を取得したからといって、500万円以上の内装仕上工事や大工工事などの専門工事を単独で自由に請け負えるわけではありません。工事内容に応じて必要な許可業種を確認することが重要です。
行政書士本田奈美 
行政書士(登録番号:第24402289号)
福岡県行政書士会所属/CCUS登録行政書士
建設業許可を中心に、経営事項審査・各種許認可手続きをサポートしています。
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