屋根工事業の建設業許可|資格・実務経験・営業所技術者の要件を福岡の行政書士が解説

福岡で行政書士をしている本田奈美です!

屋根工事について、軽微な建設工事を超える工事を請け負う場合には、屋根工事業の建設業許可が必要です。
建築一式工事以外では、1件の請負代金が500万円未満(税込)の工事が「軽微な建設工事」とされているため、税込500万円以上の屋根工事を請け負う場合には、原則として屋根工事業の建設業許可が必要となります。
軽微な工事・500万円基準についてはこちらをご参照ください!

本記事では、屋根工事に該当する工事の内容や、一般建設業・特定建設業における営業所技術者等の要件について詳しく解説します。

※令和6年12月13日施行の建設業法改正により、それまでの「営業所の専任技術者」は、一般建設業では「営業所技術者」、特定建設業では「特定営業所技術者」という名称になりました。これらをまとめて「営業所技術者等」といいます。

屋根工事とは?

建設業法上の屋根工事とは、瓦、スレート、金属薄板等によって屋根をふく工事をいいます。

「瓦」「スレート」「金属薄板」は屋根材の例であり、それ以外の材料を使用した屋根ふき工事も屋根工事に含まれます。

代表的な工事として、次のようなものがあります。

  • 瓦等による屋根ふき工事
  • スレート等による屋根ふき工事
  • 金属薄板等による屋根ふき工事
  • 板金屋根工事
  • 屋根断熱工事
  • 屋根一体型の太陽光パネル設置工事

板金屋根工事は「板金工事」ではなく「屋根工事」

金属板を使用する工事には「板金工事」もあるため、屋根工事との区分が分かりにくいことがあります。

建築物の外壁にカラー鉄板を張り付ける工事などは「板金工事」ですが、金属薄板等によって屋根をふく板金屋根工事は「屋根工事」に該当します。

どの材料を使用するかだけではなく、「どの部分に、どのような施工を行うのか」によって業種を判断することが重要です。

屋根塗装は「屋根工事」ではなく塗装工事

「屋根に関する工事だから、すべて屋根工事になる」とは限りません。

例えば、既存の屋根に塗料を塗る屋根塗装は、屋根をふく工事ではなく、塗料等を工作物に塗り付ける「塗装工事」として判断します。

また、雨樋の修理・交換や漆喰補修などについても、単に「屋根に付随しているから屋根工事」と一律に判断するのではなく、実際の施工内容を確認して業種を判断する必要があります。

太陽光パネル工事は設置方法によって業種が異なる

太陽光パネルの設置工事についても注意が必要です。

屋根材と一体となった太陽光パネルを設置する工事は「屋根工事」に該当します。

一方、一般的な太陽光発電設備の設置工事は「電気工事」に該当します。

同じ「太陽光パネル工事」という名称でも、実際の施工方法によって建設業法上の業種が異なるため注意しましょう。

一般建設業の営業所技術者要件とは?

屋根工事業の一般建設業許可を取得するには、営業所に屋根工事業の技術者要件を満たす「営業所技術者」を配置する必要があります。

主な要件の満たし方には、資格、指定学科+実務経験、10年以上の実務経験などがあります。

1.資格で申請する

屋根工事業の一般建設業許可で営業所技術者となることができる代表的な資格は、次のとおりです。

  • 1級建築施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)
  • 1級建築士
  • 2級建築士
  • 1級技能検定「建築板金」等のうち屋根工事業に対応するもの
  • 1級技能検定「かわらぶき」
  • 2級技能検定「建築板金」等のうち屋根工事業に対応するもの+所定の実務経験
  • 2級技能検定「かわらぶき」+所定の実務経験

建築板金については、技能検定の区分によって屋根工事業の資格として認められるものと認められないものがあります。

例えば、「ダクト板金作業」は屋根工事業の資格として扱われるものではありません。 実際に申請する際は、資格名称だけでなく技能検定の職種・作業区分まで確認することが重要です。

また、現在の福岡県の取扱いでは、職業能力開発促進法による技能検定の2級については、原則として合格後3年以上の当該工事の実務経験が必要です。平成15年度以前の合格者については、1年以上の実務経験で認められる場合があります。

2.指定学科+実務経験で申請する

屋根工事業の指定学科は、土木工学または建築学に関する学科です。

指定学科を卒業している場合は、学歴に応じて必要な実務経験年数を短縮できます。

  • 大学・高等専門学校等:卒業後3年以上の実務経験
  • 高等学校等:卒業後5年以上の実務経験

申請時には、卒業証明書等による学歴の確認と、屋根工事について必要な期間の実務経験を確認できる資料が必要になります。

3.10年以上の実務経験で申請する

資格や指定学科の学歴がない場合でも、屋根工事について10年以上の実務経験があれば、一般建設業の営業所技術者の要件を満たすことができます。

ただし、単に「屋根に関係する仕事を10年以上している」というだけではなく、建設業法上の屋根工事に該当する工事へ従事していたことを確認できる必要があります。

例えば、屋根塗装だけを行っていた期間については、屋根工事ではなく塗装工事の実務経験として判断されるため注意が必要です。

4.建築工事の経験と組み合わせられる場合もある

屋根工事について10年間の実務経験がなくても、一定の実務経験の組み合わせによって営業所技術者の要件を満たせる場合があります。

建築工事業と屋根工事業に係る建設工事について通算12年以上の実務経験があり、そのうち屋根工事業について8年を超える実務経験がある場合 です。

「屋根工事8年以上+ほかの建設業なら何でも合算できる」という制度ではありませんので注意しましょう。

5.第一次検定合格+実務経験で申請できる場合もある

令和5年7月から、一定の施工管理技術検定の第一次検定合格者について、指定学科卒業者と同様に取り扱う制度が設けられています。

屋根工事業はこの制度の対象となるため、対応する第一次検定に合格した後、一定期間の屋根工事の実務経験を積むことで営業所技術者の要件を満たせる場合があります。

特定建設業の特定営業所技術者要件とは?

屋根工事業の特定建設業許可では、一般建設業よりも厳しい技術者要件が定められています。

1.資格で申請する

屋根工事業の特定営業所技術者となることができる代表的な資格は、次のとおりです。

  • 1級建築施工管理技士
  • 1級建築士

2.指導監督的実務経験で申請する

屋根工事業は指定建設業ではないため、一定の指導監督的実務経験によって特定営業所技術者の要件を満たせる場合があります。

一般建設業の営業所技術者となる要件を満たしたうえで、元請として請け負った4,500万円以上の屋根工事について、2年以上の指導監督的実務経験を有している場合などが該当します。

なお、この4,500万円は、特定建設業許可が必要になる下請代金5,000万円の基準とは別のものです。

まとめ|屋根に関する工事がすべて「屋根工事」になるわけではない

建設業法上の屋根工事とは、瓦・スレート・金属薄板等によって屋根をふく工事です。

板金屋根工事や屋根断熱工事、屋根一体型太陽光パネルの設置工事などは屋根工事に該当しますが、屋根塗装は塗装工事となるなど、同じ屋根に関する作業でも建設業法上の業種が異なることがあります。

また、一般建設業の営業所技術者については、建築施工管理技士・建築士・技能検定等の資格、指定学科+実務経験、10年以上の実務経験、建築工事との実務経験の組み合わせなどによって要件を満たせる場合があります。

その他の建設業許可要件についてはこちらをご参照ください!

行政書士本田奈美
当事務所では、福岡県の屋根工事業の建設業許可について、「この資格で営業所技術者になれる?」「瓦工事や板金屋根工事の経験を使える?」「この工事は屋根工事に該当する?」といった段階からご相談いただけます。初回相談・お見積もりは無料ですので、お気軽にこちらまでお問い合わせください!

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