投稿：2024年11月12日・更新：2024年11月15日

左官工事の建設業許可を取得する方法を福岡の行政書士が解説します

左官工事は、建築物に壁土やモルタル、漆喰（しっくい）などをこてで塗りつけたり、吹き付けたりする工事で、建物の仕上げ部分に大きな役割を果たしています。
左官工事を軽微な工事以外の工事を請け負うには、左官工事の建設業許可が必要です。
軽微な工事ついてはこちらをご参照ください！
この記事では、左官工事の定義や、一般建設業・特定建設業における専任技術者の要件について詳しく解説します。

左官工事とは？

左官工事とは、建築物の壁や床に対して、壁土やモルタル、漆喰、繊維などをこて塗りや吹き付けで施す工事を指します。具体的な工事には、左官工事、モルタル工事、防水モルタルを使ったモルタル防水工事、吹付け工事などが含まれます。
なお、吹付け工事にはさまざまな種類がありますが、左官工事における吹付けは建物の壁や外装にモルタルを吹き付ける作業を指します。一方、とび・土工工事での吹付けは、道路脇の斜面にモルタルを吹き付ける法面保護工事などが該当し、目的や用途に応じて異なる点が特徴です。
また、左官工事と関連する工事業種には、タイル・れんが・ブロック工事や防水工事があります。これらの許可も取得することで、関連工事を総合的に請け負えるようになり、事業拡大に効果的です。

一般建設業の専任技術者要件とは？

左官工事における一般建設業の許可を取得するためには、専任技術者を配置する必要があります。専任技術者要件を満たすためには、資格、学歴と実務経験、または実務経験のみのいずれかの条件をクリアする必要があります。

1. 資格で申請する

以下の資格を持っている方は、一般建設業における左官工事の専任技術者として認められます。
• 1級建築施工管理技士
• 2級建築施工管理技士（仕上）
• 技能検定 左官（※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要）
これらの資格を持っていれば、専任技術者の要件を満たし、申請手続きを進めることが可能です。

2. 学歴と実務経験で申請する

資格がない場合でも、土木工学や建築学などの関連学科を卒業し、実務経験を積んでいれば申請が可能です。具体的には、高卒の場合は5年以上、大卒や高専卒であれば3年以上の実務経験が必要です。

3. 実務経験のみで申請する

学歴や資格がない場合でも、左官工事に関して10年以上の実務経験があれば、専任技術者の要件を満たすことができます。長年の経験を積むことで、専任技術者としての道が開かれる点が特徴です。

特定建設業の専任技術者要件とは？

特定建設業許可の左官工事においては、一般建設業許可の要件に加えて、下記の要件を満たす必要があります。

1. 資格で申請する

特定建設業の専任技術者として認められるには、以下の資格が必要です。
• 1級建築施工管理技士
1級建築施工管理技士の資格を持つことで、特定建設業の許可申請における専任技術者要件を満たすことができます。

2. 指導監督的実務経験で申請する場合

一般建設業の要件を満たしているだけでは特定建設業の専任技術者にはなれませんが、4,500万円以上の左官工事の元請工事を2年以上にわたって指導監督した実績があれば、特定建設業における左官工事の専任技術者として認められます。

まとめ

本記事では、左官工事の建設業許可について、その要件や取得方法を詳しく解説しました。左官工事は、建物の仕上げ部分において重要な役割を果たす工事で、施工において高い技術力が求められます。許可を取得することで、事業の信頼性が高まり、さらなる業務拡大の可能性が広がります。
その他の要件について詳しく知りたい方は、関連する建設業許可の記事もご参照ください。