熱絶縁工事について、軽微な建設工事を超える工事を請け負う場合には、熱絶縁工事業の建設業許可が必要です。
建築一式工事以外では、1件の請負代金が500万円未満(税込)の工事が「軽微な建設工事」とされているため、税込500万円以上の熱絶縁工事を請け負う場合には、原則として建設業許可が必要です。
軽微な工事についてはこちらをご参照ください!
本記事では、熱絶縁工事の定義や、一般建設業・特定建設業における営業所技術者等の要件について詳しく解説します。
※令和6年12月13日施行の建設業法改正により、それまでの「営業所の専任技術者」は、一般建設業では「営業所技術者」、特定建設業では「特定営業所技術者」という名称になりました。これらをまとめて「営業所技術者等」といいます。
目次
建設業法上の熱絶縁工事とは、工作物または工作物の設備を熱絶縁する工事をいいます。
配管・ダクト・タンク・設備などに断熱材や保温材・保冷材を施工し、熱の放散や外部からの熱の侵入を防ぐ工事などが該当します。
建設業法上、熱絶縁工事の代表例として、次のような工事があります。
実際の現場では、配管やダクト等の保温・保冷工事、断熱工事、断熱材を保護するためのラッキング工事などが行われることもあります。
熱絶縁工事と管工事は、一緒に施工されることも多い業種です。
例えば、冷暖房設備の配管や機器を設置する工事は「管工事」に該当しますが、その配管や設備に保温材・保冷材などを施工して熱絶縁する部分は「熱絶縁工事」に該当します。
工事件名だけでは判断しにくい場合もあるため、実際にどのような施工を行っているかを確認して業種を判断することが重要です。
熱絶縁工事業の一般建設業許可を取得するには、営業所に熱絶縁工事業の要件を満たす「営業所技術者」を配置する必要があります。
主な要件の満たし方には、資格、指定学科+実務経験、10年以上の実務経験などがあります。
熱絶縁工事業の一般建設業許可で営業所技術者となることができる代表的な資格は、次のとおりです。
2級の熱絶縁施工については、原則として合格後3年以上の熱絶縁工事の実務経験が必要です。
ただし、平成16年4月1日時点ですでに旧技能検定の2級熱絶縁施工に合格していた方については、その後1年以上の実務経験で認められる場合があります。
熱絶縁工事業の指定学科は、
に関する学科です。
指定学科を卒業している場合は、学歴に応じて必要な実務経験年数を短縮できます。
・大学・高等専門学校等:卒業後3年以上の実務経験
・高等学校等:卒業後5年以上の実務経験
資格や指定学科の学歴がない場合でも、熱絶縁工事について10年以上の実務経験があれば、一般建設業の営業所技術者の要件を満たすことができます。
ただし、単に建設業で10年以上働いているというだけではなく、熱絶縁工事に従事していたことを確認できる必要があります。
熱絶縁工事について10年間の実務経験がなくても、一定の組み合わせによって営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
建築工事業と熱絶縁工事業に係る建設工事について通算12年以上の実務経験があり、そのうち熱絶縁工事業について8年を超える実務経験がある場合です。
「熱絶縁工事8年以上+ほかの建設業なら何でもよい」という制度ではありません。組み合わせることができる業種が決められているため注意しましょう。
令和5年7月から、一定の施工管理技術検定の第一次検定合格者について、指定学科卒業者と同様に取り扱う制度が設けられています。
熱絶縁工事業はこの制度の対象となるため、対応する第一次検定に合格した後、一定期間の熱絶縁工事の実務経験を積むことで営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
熱絶縁工事業の特定建設業許可では、一般建設業よりも厳しい技術者要件が定められています。
熱絶縁工事業の特定営業所技術者となることができる代表的な資格は、
です。
熱絶縁工事業は指定建設業ではないため、一定の指導監督的実務経験によって特定営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
一般建設業の営業所技術者となる要件を満たしたうえで、元請として請け負った4,500万円以上の熱絶縁工事について、2年以上の指導監督的実務経験を有している場合などが該当します。
なお、この4,500万円は、特定建設業許可が必要になる下請代金5,000万円の基準とは別のものです。
熱絶縁工事業は、工作物やその設備を熱絶縁する工事で、冷暖房設備・冷凍冷蔵設備等の熱絶縁工事やウレタン吹付け断熱工事などが代表例です。
一般建設業の営業所技術者については、資格、指定学科+実務経験、10年以上の実務経験、建築工事との実務経験の組み合わせ、第一次検定合格+実務経験などによって要件を満たせる場合があります。
特に実務経験を組み合わせる場合は、どの建設業の経験でも自由に合算できるわけではありませんので注意しましょう。
行政書士 本田奈美

行政書士(登録番号:第24402289号)
福岡県行政書士会所属/CCUS登録行政書士
建設業許可を中心に、経営事項審査・各種許認可手続きをサポートしています。
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