投稿：2024年11月4日・更新：2024年11月15日

土木一式工事の建設業許可を取得する方法を福岡の行政書士が解説します

土木一式工事には道路や橋梁、ダムなど大規模なインフラ工事が含まれています。土木一式工事を、軽微な工事以外の工事を請け負うためには、建設業許可が必要です。
軽微な工事ついてはこちらをご参照ください！
建設業の許可を得ることで、仕事の幅が広がり、公共事業や大規模プロジェクトにも携われる可能性が広がります。本記事では、土木一式工事における専任技術者要件について詳しく解説します。 許可取得の要件を知り、事業拡大の第一歩を踏み出しましょう。さっそく土木一式工事の建設業許可についてみていきましょう。

土木一式工事とは？

土木一式工事とは、道路、橋梁、ダムなど土木工作物の建設を総合的に行う工事のことを指します。これらの工事は、複数の工程が含まれるため、企画・指導・調整が求められる総合的な工事です。 土木一式工事に該当する具体例には、道路工事やトンネル工事、護岸工事などがあります。これらの工事は一式として包括的に請け負うことで、その一貫性とスムーズな進行が求められるのです。 土木一式工事は、「とび・土木・コンクリート工事」や「管工事」などの工事と比較されることもあります。たとえば、プレストレストコンクリート工事（主に橋梁などの構造物のためのもの）は土木一式工事に該当しますが、個別の建物敷地内の配管工事は管工事とされます。また、農業用水道やかんがい用排水施設などの工事も土木一式工事の範囲です。 土木一式工事に関連する他の業種には、「とび・土木・コンクリート工事」「舗装工事」「水道施設工事」などがあり、これらの許可を取得することで事業の幅が広がり、他の工事とも連携した業務展開が可能になります。

一般建設業の専任技術者要件とは？

土木一式工事の一般建設業許可を取得するためには、専任技術者の配置が必要です。以下に専任技術者になるための要件を紹介します。

1. 資格で申請する

一般建設業における土木一式工事の専任技術者要件を満たす資格として、以下が挙げられます。
• 1級建設機械施工技士
• 2級建設機械施工技士（第1種～第6種）
• 1級土木施工管理技士
• 2級土木施工管理技士（土木）
• 技術士 建設部門・総合技術監理部門（建設）
• 技術士 建設部門「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理部門（建設「鋼構造及びコンクリート」）
• 技術士 農業部門「農業土木」・総合技術監理部門（農業「農業土木」）
• 技術士 水産部門「水産土木」・総合技術監理部門（水産「水産土木」）
• 技術士 森林部門「森林土木」・総合技術監理部門（森林「森林土木」）
これらの資格を持っていれば、土木一式工事における一般建設業の専任技術者として登録が可能です。

2. 学歴と実務経験で申請する

資格がない場合でも、特定の学科の学歴と実務経験があれば申請が可能です。たとえば、土木工学や都市工学などの学科を卒業し、一定年数の実務経験があれば専任技術者として認められます。高卒であれば5年以上、大卒や高専卒であれば3年以上の実務経験が必要です。

3. 実務経験のみで申請する

学歴や資格がない場合でも、10年以上の土木工事の実務経験があれば専任技術者の要件を満たせます。

特定建設業の専任技術者要件とは？

特定建設業許可は、、一般建設業許可の要件に加えて、下記の要件を満たす必要があります。

1. 資格で申請する

特定建設業の専任技術者として認められるには、主に以下の資格が必要です。
• 1級建設機械施工技士
• 1級土木施工管理技士
• 技術士　建設部門・総合技術監理部門（建設）
• 技術士　建設部門「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理部門（建設「鋼構造及びコンクリート」）
• 技術士　農業部門「農業土木」・総合技術監理部門（農業「農業土木」）
• 技術士　水産部門「水産土木」・総合技術監理部門（水産「水産土木」）
• 技術士　森林部門「森林土木」・総合技術監理部門（森林「森林土木」）
これらの資格は国家資格であり、高い技術力と知識が要求されます。

2. 指定建設業のための要件

土木一式工事は「指定建設業」に該当するため、指導監督的実務経験での申請は認められません。特定建設業許可を取得するには、必ず国家資格が必要となる点に注意が必要です。したがって、特定建設業を目指す場合は、必要な資格取得を視野に入れたキャリア設計が求められます。

まとめ

本記事では、土木一式工事の建設業許可について、専任技術者要件について詳しくお伝えしました。
その他の要件について知りたい方は、こちらの記事をご参照ください！
土木一式工事は、総合的な建設業務を担うため、他の工事業種と異なる専門的な許可が求められます。一般建設業と特定建設業で求められる要件は異なり、それぞれに応じた資格や実務経験が必要です。