福岡で行政書士をしている本田奈美です!
経営事項審査とは、国や地方公共団体等が発注する公共工事を直接請け負おうとする建設業者が受ける審査で、一般に「経審(けいしん)」と呼ばれています。
経審では、建設業者の完成工事高、経営状況、技術力、社会性等を客観的に審査し、最終的に「総合評定値(P点)」として点数が算出されます。
この記事では、経営事項審査とは何か、X・Y・Z・W点の意味、申請の流れ、有効期間について、2026年7月の制度改正も含めて解説します。
※本記事は2026年8月時点の制度をもとに作成しています。
目次
経営事項審査(経審)とは、国・地方公共団体等が発注する一定の公共工事を直接請け負おうとする建設業許可業者が受ける審査です。
建設業者の経営規模、経営状況、技術力、社会性等を全国共通の基準で客観的に点数化し、その結果は「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」として通知されます。
経審の結果のうち、最終的な総合点を「総合評定値(P点)」といいます。
公共工事の発注機関は、この経審による客観的な評価に、発注機関独自の評価などを加えて入札参加資格の格付け等を行います。
そのため、経審を受けただけで自動的にすべての公共工事の入札へ参加できるわけではありません。経審を受けた後、実際に参加したい国・県・市町村等へ入札参加資格申請を行う必要があります。
行政書士本田奈美 経審は、公共工事を直接請け負うために必要となる重要な手続きですが、経審を受けることと「入札参加資格を取得すること」は別です。
一般的には、
という流れになります。
例えば、福岡県の公共工事へ入札参加したい場合には、経審を受けたうえで、別途、福岡県の入札参加資格申請を行います。
経営事項審査では、大きく分けて経営規模(X)、経営状況(Y)、技術力(Z)、その他の審査項目・社会性等(W)を評価します。
Xについてはさらに「X1」と「X2」に分かれており、それぞれ評価する内容が異なります。
X1では、審査を受ける建設業種ごとの完成工事高を評価します。
例えば、管工事業について経審を受ける場合は、管工事の完成工事高がX1の評価に関係します。
完成工事高が大きいほど、基本的にはX1の評価も高くなります。
X2では、会社全体の経営規模をみるため、
が評価されます。
Y点は、会社の財務内容から経営状況を評価する点数です。
主に、
という観点から評価されます。
Y点については、都道府県などの許可行政庁が直接分析するのではなく、国土交通大臣の登録を受けた「登録経営状況分析機関」へ申請して「経営状況分析結果通知書」の交付を受けます。
Z点では、審査対象となる建設業種ごとに、
を評価します。
技術職員については、保有資格等によって点数が異なります。
また、単純に「営業所技術者等の人数」を評価するものではなく、経審の基準に基づいて技術職員として計上できる方や資格等を確認して点数を算出します。
W点では、完成工事高や財務内容だけでは分からない、企業としてのさまざまな取組を評価します。
2026年7月1日以降の申請では、主に次のような項目が評価されています。
W点は「社会保険に入っていれば加点される」という単純な項目ではなく、複数の評価項目から構成されています。
経営事項審査は、令和8年(2026年)7月1日に審査項目・審査基準の一部が改正されました。
福岡県では、2026年7月1日以降に申請する経審から新しい制度が適用されています。
主な改正点は次のとおりです。
「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」は、一定の要件を満たす場合、W点で5点の加点対象となります。
なお、社会保険が経審の減点項目から削除されたからといって、加入義務がなくなったわけではありません。建設業許可では、加入義務のある社会保険への適切な加入が許可要件となっています。
経営事項審査の最終的な総合評定値であるP点は、X1・X2・Y・Z・Wを一定の割合で組み合わせて算出します。
現在の計算式は、
P = 0.25X1 + 0.15X2 + 0.20Y + 0.25Z + 0.15W
です。
つまり、単純に「売上が多ければP点が高い」「資格者が多ければP点が高い」というものではなく、完成工事高、財務内容、技術職員、元請工事、社会性等を総合的に評価してP点が決まります。
経審を受ける前提として、対象となる事業年度の決算変更届を提出します。
工事経歴書や財務諸表などを作成するため、経審を受ける予定がある場合は、決算変更届の作成段階から経審を意識して確認することが重要です。
Y点を算出するため、国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関へ経営状況分析を申請します。
審査後、「経営状況分析結果通知書」が交付されます。
次に、建設業の許可行政庁へ「経営規模等評価申請」と「総合評定値請求」を行います。
福岡県知事許可業者の場合は、福岡県へ申請します。
審査が完了すると、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」が交付されます。
この通知書に、業種ごとの総合評定値(P点)などが記載されています。
公共工事の入札参加を希望する場合は、経審の結果通知書を使用して、希望する国・県・市町村などへ入札参加資格申請を行います。
入札参加資格の申請時期や必要書類、格付け方法は発注機関によって異なります。
経営事項審査の有効期間は、審査基準日から1年7か月です。
ここで注意したいのは、結果通知書を受け取った日から1年7か月ではなく、原則として決算日となる「審査基準日」から1年7か月という点です。
例えば、決算後の経審申請が遅くなれば、その分だけ結果通知書を受け取ってから実際に使用できる期間は短くなります。
継続して公共工事を直接請け負う場合は、有効期間に空白が生じないよう、毎年決算後、速やかに経審を受けることが重要です。
行政書士本田奈美 経営事項審査は、国や地方公共団体等が発注する一定の公共工事を直接請け負う建設業者にとって重要な審査です。
経審では、
をもとに、最終的な総合評定値(P点)が算出されます。
また、2026年7月1日からW点を中心に制度が改正されているため、これから経審を受ける場合は最新の基準で準備する必要があります。
当事務所では、福岡県の建設業者様について、決算変更届から経営状況分析、経営事項審査、入札参加資格申請まで一連の手続きをサポートしております。
初回相談・お見積もりは無料で対応しておりますので、お気軽にこちらまでお問い合わせください!

行政書士(登録番号:第24402289号)
福岡県行政書士会所属/CCUS登録行政書士
建設業許可を中心に、経営事項審査・各種許認可手続きをサポートしています。
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